金銭消費貸借契約書

お金を借りるときに契約する文書が金銭消費貸借契約書です。消費貸借という少しわかりづらい文言ですね。いわゆる、借りたときと返すときが同じものでない場合に、「消費貸借」という文言が使われます。お金がその典型です。借りたときの「1万円札、1000円札、100円玉」と返すときの「1万円札、1000円札、100円玉」が一緒ではないケースがほとんどですね。借りたときと同じ価値の同種のものを返す契約のことです。これと対照的なものが、CDレンタル、車のレンタルです。これらは、借りたときと同じCD、同じ車を返す必要があります。
ところで、これら借りるときの契約書は返済が終わったあとに、貸した人から借りた人に返却する必要があるのでしょうか。現在弊事務所が債務整理で関与している消費者金融では、和解を履行して完済した債務者へ契約書を返してくれる債権者の少なからずあります。これは、債権者が任意で返却しているわけで、義務ではないと考えます。契約時点で、契約書の控えを債務者に渡しているのですから、その原本を債務者の方々に返却する必要はないでしょう。弁済が終わったとしても、ひとつの重要な証拠の原本ですので、それ自体を返却することまで業法は要求しておりません。
いずれにしても、借りる側としては、契約時点の控え、返済した振込み明細等をきちんと保管管理する必要があると考えます。